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青と白の日々

日々のこと

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No.43

移動の日
移動の日

移動の日。列車に揺られながらぼんやりと外を眺めていた。

乗り物に酔いやすいので、列車に乗ったらすることがない。何もせず、ただ外の景色を眺めていたら、頭がすっきりとしてきて、重かった心もほんの少し軽くなった。

夕方から夜へと移り変わる空は大層美しくて、生きていてよかったと思った。そして夜になった。列車から見た夜の世界は思っていたよりもずっと暗くて、恐ろしかった。となりのトトロを思い出した。あの映画の夜の場面も怖かった。でもきっとそれが私の生きる世界の本当の姿なのだ。

駅に着いた。見慣れた街の駅はたくさんの照明に照らされて、夜の闇も霞んでいた。どこか安心感を感じながら、家路につく。

夜の闇は恐ろしくて、そこに放り出されたら今はきっと動けなくなるだろうけれど、同時にその闇を懐かしく思う私がいる。夜の林に家族と入って、カブトムシを探した子どもの頃。線香花火を見つめた夜。夏祭りの広場だって、そこを出ると暗闇と生暖かい風そして虫の声とがあった。あの林の闇は今もそこにある。

時は前後して、今日は本屋を訪れた。個人で経営されている本屋さん。

扉を開けるとそこには世界が広がっていた。中は思ったよりも広くて、様々な形の棚に、様々なジャンルの本が並べられていた。「ああ、ここは好きだ」入ってすぐにそう思った。近くにあったなら足繁く通ったと思う。

イメージとしては『スキマワラシ』かな。

私は本が好きだ。本屋さんに行くのも好きだし、図書館を見て回るのも好き。

今日訪れた本屋さんは新しい本も古い本も様々に並べてあった。古い本というのも好きなのだ。その時代にその本を書いた人、出版に携わった人、お店に並べた人、それを読んだ人。そして今ここにある本。確かにその本が生まれた時代があって、新しい本として読まれた時代があって、その時代に生きた人がいる。その足跡を垣間見ているようで、本の、或いはその時代の、そして人の息遣いを感じるようで。時代を経て今ここに私の目の前にあるということが嬉しくなる。

私もそうやって手渡していく人になりたい。

2025/9/21「移動の日」しずかなインターネットより

日記,エッセイ

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